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ゼロの焦点 [映画]

P1060729.JPG松本清張生誕100年記念「ゼロの焦点」を観賞。感傷に浸ってまいりました。映画は久々でした。松本清張の作品は、ほとんどと言っていいくらい単行本からカッパノベルス、新書判や文庫本など読みました。「ゼロの焦点」の映画はかつて、野村芳太郎監督、久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子で61年に映画化。これはさすがに見ていませんが、今回と比べる意味はないにしても、3女優の演技がどんなふうだったのか、ビデオでもあれば見てみたい気がします。鵜原禎子役の広末涼子が主役、P1060731.JPG木村多江P1060730.JPG中谷美紀が迫真の演技で観客を引付ます。P1060732.JPGゼロの焦点と言えば、結婚間もない夫が金沢へ出張したまま消息を絶って、その妻が現地へ探しに行き”能登の断崖絶壁のシーン”を思い起こさせる、ストーリーは有名で、清張初期のサスペンス。今回のパンフレットの見開いたところに、「物語の核心に触れている箇所がございますので、映画ご鑑賞後にお読みになるようお勧めします」とありました。いまさらここで紹介するのは避けることにします。P1060733.JPG主題歌・中島みゆきの「愛だけを残せ」がその物語の核心に触れたとき、奏でられたのが印象的でした。監督は、犬堂一心。05年「タッチ」、06年「愛と死を見つめて」、07年「眉山」これはCSで見ました。08年「グーグーだって猫である」・・・。物語の時代は昭和32年。あの東京タワーができた「3丁目の夕日」が昭和33年。随所に出てくる当時の上野駅や、粉雪降りしきる北陸本線の煙を吐きながら走る蒸気機関車、金沢の街の俯瞰の雪景色等々・・、スクリーンで見る限り正に現代ではなく、その時代のものの描写は見事なものでした。P1060727.JPGかく言う私(らんちゃんさん)も、初めて社会人になった勤務地が北陸でしたのでよくわかるのですが、出演者の独特な語尾が上がる北陸弁は、その土地の人のものでした。ロケハンから時代背景、時代考証など、多少の脚色はあるものの、清張の描きたかったテーマを見事に活字からスクリーンに移し替えた、とてもよくできた映画だと思います。清張ファンとしては、もう一度原作を読みたくなりました。[本]


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ひまわり博士

 これ、ぜひ見たいと思っています。
 本当はもっと早くに公開されるはずだったようですね。
 春ごろに、縁あって交流が生まれた若い俳優の崎本大海君が、映画初出演なのでぜひ見てくれと言っていたのでずっと楽しみにしていました。(どんな役か知りませんが)
 61年の映画は日本映画専門チャンネルで何度かやりました。野村芳太郎監督だけに、なかなかよくできています。
 ストーリーは有名なので、ネタばらしも何もあったものではありませんが、今度の新作では何か新しい見せ場などはありましたか。
 本当は今日見に行く予定だったのですが、TVやDVDにはなりそうもない映画を優先してしまいました。
 カッパノベルスの「ゼロの焦点」を読み直そうと思って、書棚から引っぱりだしてあります。昭和56年発行のもので129刷。すごいですね。

by ひまわり博士 (2009-11-15 23:46) 

らんちゃん

崎本大海さん、室田佐知子役の中谷美紀さんの弟役でなかなかの熱演でした。
印象に残ったのは、田沼久子と室田佐知子が昔の進駐軍に追われ、廃校の片隅で身を隠しながら黒板に書かれていた「この道」という小学唱歌を二人で涙を流しながらひそかに歌うシーンでした。♪このみちーはーいつかきたみーちー。
ぜひお勧めです。
by らんちゃん (2009-11-16 23:07) 

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