オーケストラ! [映画]
原題は、Le concertというフランスの音楽映画。いや、確かにモチーフはチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でもこれは究極のメロドラマだ。始まって半分くらいまでは、ペーソスと笑いのシーンの連続で思わずふきだすこと数回。小さな渋谷のル・シネマの客席ではあちこちで小さな笑いが聞こえるほど、これは面白い映画だ、と思っているうちに、となりの、また後ろの席から今度はすすり泣きの声が・・・。隠された悲劇の真相が解き明かされていくのだということを観客に自然に気付かせ、なぜ、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲でなければならなかったのかが明らかにされて行くクライマックスのコンサートシーンでは、ついに涙・涙、で何度も目頭に手が。これはもう、ここでストーリーを述べるより、音楽とロマンが好きな方は必見あれ。ソリストを誰にするかは、この映画のマエストロの特権がポイント。そのヴァイオリニスト役、フランスのメラニー・ロランという女優が美しく見事に演じ切っていました。なんともいえない清々しさが心地よく、あっという間の124分でした。
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